汁なし担担麺専門 キング軒 東京店
長らくサボっていたため、お久しぶりです。
皆さんは山椒をご存じですか?
いやいや、「ハコネ」「トウキョウ」などの種類があり、半分に引き裂いても生き続けるという言い伝えから「ハンザキ」と呼ばれる生き物のことではありませんよ。
どうやら存じ上げないようなので、キング軒をご紹介します。
キング軒は自らをキングと称しているように、全ての汁なし担担麺の頂点に立つ存在です。キングだけに浜松町から徒歩13分、ではなく8分、大門からは徒歩6分くらいの所にあり、大門のラーメンストリートの一角に位置しております。
メニューは汁なし担担麺(0辛)、汁なし担担麺(1辛)、汁なし担担麺(2辛)、汁なし担担麺(3辛)、汁なし担担麺(4辛)、汁なし担担麺(20辛)の6種類があります。豊富なバリエーションで、どれを頼もうか迷いますよね。
1番人気なのは2辛で、辛い物が苦手な人は1辛がおすすめされています。
私は
そして出てきたのがこちら。
鼻に来る山椒の良い香り。
(店に入って来たときから、いや、店に入る前から山椒のいい香りが鼻を刺激してきます)
よくかき混ぜてからいただきます。
おいしい、けど普通の汁なし担担麺という印象。
汁なし担担麺を食べたことないので何が普通かは正直分かりません。
しかし、めちゃめちゃ美味いという感じでもない。
外には行列、何がここまで客を駆り立てるのか。
この時はまだ気づいていませんでした。キング軒の恐ろしさに・・・。
ーーー数日後
「何かが足りない」 身体が訴えてきます。
こんな感覚は初めてです。何かを欲している。
しかし、何を欲しているのかまだ分かりません。
次第にこの感覚は強くなって来ます。
そして、思い出します。キング軒の存在を。
「あぁ、キング軒に行かないといけない。キング軒が足りない。」
身体が勝手にキング軒に吸い寄せられていきます。
キング軒、二度目の来訪です。
そして、出てきたのがこちら。
・・・写真を撮り忘れてしまいました。
それもそのはず、写真なんて撮る余裕はありません。
手は既に箸を握っています。
一刻も早く食べたいのです。
そして、ついに食べる時が来ました。
前回同様、よくかき混ぜてからいただきます。
なんだこれ!?
めちゃめちゃ美味い!!
前回食べたときの記憶が嘘だったかのようです。
二度見ならぬ二度食いです。え?理解が追いつきません。
こんなにも美味しい食べ物を何も思わずに食べていたなんて信じられません。
タレの濃さ、麺のコシ、肉みその食感、ネギの風味、山椒の辛さ、全てが完璧に配分されていることを理解します。計算されつくした味に脱帽です。
私は辛い物が苦手でしたが、いつの間にか好きになってしまいました。
もしかして、これが ”恋” なのでしょうか?
だとしたら、多分気づいてないでしょう。
辛い物が苦手という記憶が書き換えられたかのようです。
記憶の書き換えは、デジャヴとジャメヴが同時に起こっています。
勘違い?錯覚?そうかもしれませんね。
脳は必要なことと必要でないことを取捨選択し、必要なことだけを記憶へと移行させます。
そうしてキング軒も長期記憶へと保存されたことは確かです。
自転車の乗り方や日本語の文法を忘れないことと同様に、キング軒の記憶も
そんなこんなでペロリと平らげちゃいました。
小ライス(50円)を残ったダシに絡めて、ライス用のタレとお酢をかけて〆のご飯のでき上がりです。
担担麺は一瞬で平らげてしまいましたが、この〆のご飯も食べ始めると止まりません。
〆のご飯は先程とは打って変わってマイルドでコクのある味わいです。辛さが物足りない方は追い山椒と鷹の爪が置いてあるので、自分で辛さを調節できる点も魅力的です。
食べ終えたころには、幸せな表情のあなたがそこにいるはずです。